創業は昭和32年にまでさかのぼり、みかんの栽培から始まったという「マルヤス食品」は、地元ではこんにゃく屋さんとして昔から生活を支えてきたことで知られている。こんにゃくの製造が軌道に乗り、新しい商品をとなった時に生み出されたのが「トコゼリー」だ。当時はところてんの製造も盛んで、天草(てんぐさ)が豊富だったためトコゼリーを作ることにしたのだそう。
「子供達にも安心して食べてもらいたいとの想いから、もともと天然のものにこだわっていたので、無香料で添加物はできるだけ使わないで商品化したかったんです」という安岡専務。フルーツの味をきちんと感じられて、香料・着色料を使わなくても美味しいその味を確立するまでにかなりの試行錯誤が繰りかえされた。一般的には果汁を使うものが多いが、果汁のみに頼らず果肉をミキサーで潰して固形分が含まれる濃いジュースを作り、香料を使わないで自然な風味と旨みを楽しめるようにしているそうだ。「中でも6月から登場する愛媛県産の果実を使った甘夏は絶品です。ここ愛南町の緑地区という産地で旬の盛りに収穫したものを使っていますので、香りが違います」とのこと。その一手間こそが、おいしさの秘訣であり、果物の味に由来するからこそ、毎年多少の風味の違いがあるのもまた一興だ。
現在ではフルーツのトコゼリーのほか、苺ピューレの入った「苺の杏仁どうふ」やコクのある「珈琲ゼリー」、健康食材として注目されている米麹を使った「あま酒ジュレ」などラインナップも充実。自分用はもちろん贈答用としても愛されている。
- [ マルヤス食品株式会社 ]
- 愛媛県南宇和郡愛南町城辺甲2277 / TEL:0895-72-1716