約30年ほど前からこの地でみかん農家をしていたお父さんの跡を継ぐ形で、就農した小川さん。愛南町を離れてサラリーマンとして流通分野で務めたのち、約8年前にUターンで愛南町に帰郷。現在80歳になるお父さんから畑を受け継ぎ、ポンカンを中心に不知火や甘夏、河内晩柑などを育てている。「愛南町の農家も高齢化が進んでいるため、このままでは後継がいない農家の畑が放置されてしまう。ならばと一念発起しました」とのこと。そこで、お父さんの代から続けていた「愛南フルーツ」を法人化。「株式会社愛南フルーツ」となった現在も、共に柑橘農家として手を取り合ってきた2軒の農家も栽培に携わり、情報共有や流通などの面で協力し合っている。少しずつ畑を増やしながら、現在では3人で10ヘクタールほどのみかん畑を管理。個人では難しいことも3人が持ち寄ればできることもあると可能性を模索している。実際に、東北や京都、大阪の大手スーパーチェーンとの販路も既に開拓し、ここ愛南町からポンカンなどを届けることも実現。「一度愛南町を離れたからこそ、風土の良さも人の良さも、この地の豊かさも分かる。それを柑橘という果物を通じて、全国に届けていきたい」と意気込む小川さん。販路を増やすのはもちろん、レモンなど柑橘の種類を増やし、多品種での展開にも取り組んでいきたいそう。3人いればできること、そしてその一方で大きな組織ではなく3人だからフットワーク軽くできることもある。小川さんのサラリーマン時代の経験も活かしながら、新しいスタイルで時代にあった柑橘農家として、これからもチャレンジしていく。
- [ 株式会社愛南フルーツ ]
- 愛媛県南宇和郡愛南町御荘平山937 / TEL:0895-73-7310