「ゆら鯛」とは、豊後水道に突き出た由良半島で育てられた真鯛のこと。ここは外海の潮流の影響を受けにくく、透明度が高く養殖場としても恵まれた環境。この海で50年以上にも渡り、ゆら鯛の養殖を手がける2社のうちの一つが宝水産有限会社だ。「ゆら鯛」は身が締まり脂が適度にのっているため、その美味しさから全国各地のレストランはもちろんホテル、結婚式場などの業務用食材としても重宝されている。フィーレ状態に加工したものを主に業務用として卸を展開してきたが、一般家庭でもこの「ゆら鯛」の美味しさを知ってもらいたい、もっと身近に感じてもらえたらと平成20年頃に開発されたのが、現在のメイン商品でもある『鯛の塩釜』だ。その日の朝水揚げされたばかりの、ゆら鯛を新鮮なうちに下処理し、藻塩を混ぜた塩釜で包みこみ焼き上げる。まろやかな藻塩を使うことで、味も優しく、実にシンプルながらもゆら鯛の持つ旨味を絶妙に引き出してくれる。鼻腔をくすぐる海の香りもよく、愛南町の香りをそのまま閉じ込めたような印象。鯛の形を模したデザインと、木槌もセットになっているため、贈答用やお食い初めなど、お祝いの席に欠かせない商品として定着しつつある。また今回のコロナ禍をも味方につけ、B to Cでの展開も順調に伸びているのだそうだ。ゆら鯛の養殖を手がけてきた、ゆら鯛のプロフェッショナルだからこそ生まれた商品は、これからますますさまざまなシーンで必要とされるに違いない。
- [ 宝水産有限会社 ]
- 愛媛県南宇和郡愛南町家串1121 / TEL:0895-70-6068